〝前奏曲〟 Prelude......
世界は複雑に密接に関係し、時に絡み合い、時に離れ合っています。
とある世界で魂を入れるためにひとつの器が造られました。
器は他につくられた器と何も違わないはずでした。
けれどその器は何かがちがっていました。
器をつくった人は自分たちの世界が滅んでしまわないようにその器を利用しようと考えました。
始まりの器を基に、器がつくられていきました。
金色の4つの器を作った人もまた、作られた器でした。
1番目は内なる魔力を強く秘めるもの。
2番目は空虚で無力。
3番目は逞しい武力を強く秘めるもの。
4番目は魔と武を兼ね備えたもの。
1番目と2番目は偶然生まれたものでした。
しかし器をつくった人は1番ばかり見ているうちに生まれた2番に気づきませんでした。
1番を基に3番目がつくられました。
初めて自分に似た器を見た1番目は生まれたての3番目をとてもかわいがりました。
1番目はあるひ、ひとつの器に出会いました。
それは誰も今まで気づかなかった、2番目の器でした。
2番目の器は自分をつくった人を怖がり、震えていました。
かわいそうだと思った1番目は2番目を、自分を作った人から遠ざけて一緒にいました。
ある朝、1番目はつくった人に呼ばれました。
1番目は純粋な瞳をその人へ向け、ついていこうとしました。
2番目は1番目の名前を呼びました。
不安そうな目をする2番目に1番目は微笑みかけました。
つくった人は1番目に命の時間をつくろうとしていたのです。
1番目はもちろん、そのことに誰も気づきませんでした。
――2番目を除いて。
2番目は空虚なその器をなげうって命の時間を1番目から妨げようとしました。
それが失敗だったのか、成功だったのかは誰も知りません。
ただ、2番目はどこかへ消し飛んでしまいました。
最後まで2番目に気づかなかったつくった人は1番目に時間をあたえました。
それが真実なのか虚実なのかも誰も知りません。
2番目が消えたことで金色の器だったはずの1番は銀色になりました。
慈しみの心と歓喜と悲しみと消失感と不安を知った銀色はもう器ではありません。
1番はさらに、3番が自分の代わりにつくられたことを知りました。
そして、3番が大きくなった時自分が用済みになることも。
1番は恐怖と憎悪で3番をほかの世界に捨ててしまいました。
つくった人はそれを気にも留めず、3番の代わりに4番をつくり始めました。
1番目は3番目を捨てた世界へと、つくった人の考え通り旅立っていきました。
選ばれた他の3つの器のいない世界で4番目は生まれました。
魂を知らない4番は空虚さを胸に抱えたままその世界で生きています。
そう、今でも・・・・・・
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